認知症外来Dementia therapy

物忘れ、認知症が心配になってきた方へ

認知症はいくつかの原因によって脳の機能が低下し、認識や記憶、判断するなどの力が損なわれ、日常生活や社会生活に支障が出る状態のことを言います。アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、認知症の原因として最も多いものです。

アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)に対する新薬であるレカネマブ(レケンビ®)が2023年12月に発売となりました。

物忘れ

軽度認知障害(MCI)とは

アルツハイマー型認知症は、健常から突然発症することはほとんどなく、その前に軽度認知障害(MCI)という期間があります。
主要な症状としては加齢では説明できない程度の記憶力の衰えがあります。ただ、生活に支障をきたすほどではないためそのまま放置されている例も少なくありません。
一般的に軽度認知障害の方のうち10%~15%がアルツハイマー型認知症に移行するといわれています。

新薬(レケンビ®)について

このお薬は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度の認知症の進行を抑制します。
お薬の効果が期待できる方(投与対象)は、軽度認知障害の方および軽度(初期)のアルツハイマーの方です。無症状の方や、中程度以降のアルツハイマー病の方は、お薬の効果が期待できず、投与の対象となりません。

このお薬の投与対象になるかどうかについては事前に各種検査が必要になります。

  • MRI検査によるアミロイド蓄積状況及び副作用リスク検査
  • 髄液検査(腰椎穿刺)によるバイオマーカー検査

診察や検査の状況によっては投与の対象外となることもありますのでご了承ください。

投与までの流れ

このお薬を使うための検査から投与までの手順については以下の通りです。

初回受診

  • 診察
  • MRI検査
  • 簡易的な認知症検査(長谷川式スケールを使用します)
  • 検査結果の説明

※ 1回目の検査でレケンビの適用可能性ありと判定されたら2回目に移ります。

2回目
(検査が中心です)

  • 簡易的な認知症検査(ミニメンタルステート検査を使用します)
  • 認知症の重症度評価の実施(CDRスケールを使用します)

※ 2回目の検査でレケンビの適用可能性ありと判定されたら3回目に移ります。

(2回目と3回目の検査は同時に行うこともあります)

3回目
(検査が中心です)

  • 髄液検査(腰椎穿刺で行います)
  • 検査結果の説明

※ 3回目の検査でレケンビの適用可能性ありと判定されたら実際の治療に移ります。

4回目
(治療開始)

  • 初回投与開始

(初回投与時は1泊2日の入院で行い、投与後の患者様の状況を把握し、その後の治療につなげていきます)

5回目以降

  • 2回目以降は外来で2週間おきに点滴投与を行います。点滴かかる時間は1時間程度です。
  • 治療開始後は治療効果の評価のため定期的なMRI検査を実施します(2ヶ月目、3ヶ月目、6ヶ月目)
  • 治療期間は最も長い方で18ヶ月、投与回数は36回までです。患者様の治療状況によって期間は変動します。

費用について

  • お薬の投与量によって費用は変わります。投与量は1回投与量や投与期間(回数)によって変動します。
  • 公的医療制度により、患者様の年齢や所得によって自己負担金が変動することがあります。
  • このお薬を使用した治療は、高額療養費制度の適用になります。高額療養費制度とは治療にかかった費用が設定された限度額を超えた場合、超過した金額が払い戻される公的医療制度です。

詳しくは当院の地域医療連携室までお問い合わせください。

ご相談窓口

片木脳神経外科 地域医療連携室

【電話番号】 898-22-1102(代表)
【対応曜日】 月曜日~水曜日・金曜日~土曜日(木曜日・日曜日・祝日は休み)
【対応時間】 13:00 ~ 18:00

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